本プロジェクトへの皆様のご賛同及びご協力に感謝し、最終声明とかえさせていただきます。

ABOUT

FRPジャム・プロジェクト

当活動は、不飽和ポリエステル樹脂ほか、FRP施工に用いる材料を使用し、「FRPジャム」と称した食用ジャムの様相を模した製品を制作、及び販売をネットショップ、実地にて行い、その収益を環境保全団体(WWF)に寄付するプロジェクトである。

当プロジェクトへの参加作家(伊藤誠・齊藤美帆・高田稚菜・細井篤・椋本真理子)は、作品制作の多くをFRP技法を用い行なってきた、「FRPの作家」である。表現の手段としてFRPを選択し、この手法に対し少なくはない表現上のアイデンティティを抱いている。一方で、一般的にFRP及び有機溶剤の環境に与える影響は決して良いものとは言えず、近年の社会的な風当たりは強さを増している。
歴史的に見れば、FRPは量産を前提とした合理的な方法として石油産業社会の中で生み出されたものであり、現状、不可欠な生産の手段として手放すことができないまま確かに社会に存在するものだ。
そして我々もまた、頭の中にある「かたち」を最短距離で再現するために非常に優れた手段である、FRPという方法を簡単に手放すことができずにいる。
「FRPは環境に悪いから」表現上のアイデンティティなどは捨て、FRPを使って作品を作ることなどもう止めにすべきなのだろうか?

「消費できない問題」を、消費できない消費物として「各ご家庭に」分配し、所有してもらう。
「消費できない問題」を、各ご家庭の食卓に共有する。
食卓に乗せられたこのジャムを、我々は消費することも廃棄することもできない。消費するわけにはいかないし、廃棄するには環境が気になる。このジャムはすでに生み出され、食卓に乗せられてしまっているのだ。
この活動が環境に対し如何なる影響を与えるのか、あるいは与えないのかは未だ不明である。
ただ一つ確かなことは、この活動の収益は全て環境保全団体(WWF)に寄付される。